高齢者のための歩行トレーニング

若い人でも、風邪をひいて寝込んだあとに歩くと、ふらふらするものです。

 

高齢者になったらそれだけでは済みません。ちょっとした体調不良をきっかけに寝たきりになってしまう可能性も少なくないのです。そうならないように、元気なうちにできることはなんでしょうか?

 

ほんの少しのきっかけで、寝たきりになってしまう危険性が!

男女ともに長寿国として世界的に知られている日本。元気な高齢者が趣味にスポーツに楽しんでいる姿をよく見かけます。

 

最近では、会社を退職したことをきっかけに、若いころの趣味に回帰する高齢者が増えているのだとか。

 

バイクに乗ったりテニスをしたり......もはや高齢者と呼ぶことをためらってしまうほどですね。

 

しかし、忘れてはいけないことは、気持ちは若くても体は確実に年齢を重ねているということ。

 

若いころと同じように行動していると、些細なことで大きなけがをしてしまう可能性があります。

 

ちょっとつまずいただけなのに、あまりにも足が痛いため病院へ行くと、骨折をしていたという人もいます。さらに、骨折をきっかけにして寝たきりになってしまうこともあります。

 

歩くことって本当に大変。緊急手術から1週間で歩くことを課せられたらどうなる?

歩くことがどれだけ大変なことか、身を持って体験された方の実例があります。

 

急病で緊急手術を受けた70代の女性は、手術から1週間あまり経過したころ、病院の看護師さんから「1日3回は歩いてくださいね」と言われるようになったそうです。

 

日常生活に少しでも早く戻るためには、が一番のリハビリになるからです。

 

ところが1週間寝たきりの状態だった女性は、起き上がってベッドの上に座るのが精一杯。足腰に力が入らず息切れもして、歩くことに恐怖を覚えたとのこと。

 

看護師さんに支えてもらいながら、少しずつ歩く距離を延ばすのがやっとでした。

 

たった1週間寝たきり状態だったことによって、こんなにまで足腰が弱ってしまうものなのかと、周りそして何より本人にとって驚きの出来事でした。

 

歩くことが億劫にならないために。元気なうちにできること。

先述の女性は1カ月の入院生活中に少しずつ回復し、今では元気に歩けるようになりましたが、こうしたことをきっかけに、歩くことが嫌になってしまう方もいるかもしれません。

 

そうならないように、元気なうちにできることは何でしょうか。

 

一番簡単にできることは歩行トレーニングです。

 

歩行トレーニングをすることによって筋肉量のアップや骨密度のアップなどの身体的なメリットが期待できるばかりでなく、脳細胞の活性化やリラックス効果も得られるなど精神的なメリットもあることがわかっています。

 

そうはいっても手足を振って本格的に歩くのはちょっと恥ずかしいと思われる方もいらっしゃるでしょう。もちろん正しいフォームで歩くことによって得られる効果は大きいのですが、散歩程度にゆっくり歩くだけでも十分効果は得られます。犬を飼っている方であれば、愛犬と一緒にのんびり散歩するのも良いですし、買い物のついでにちょっと遠まわりをして歩くことも良いでしょう。散歩をしていると「こんなお店があったんだ」など、新たな発見があるかもしれません。ご夫婦で一緒に歩けば、日ごろ忙しくてなかなかできない会話が楽しめることでしょう。

 

なにはともあれ、積極的に歩こうという気持ちが大切です。

 

面倒だからタクシーを使おうなどと、歩くことを避けるようになることが一番良くないことです。

 

継続は力なり。日ごろから歩くことを心がけていれば、筋力アップにつながり、健康的な毎日を過ごすことができるでしょう。

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