ケアマネージャーの役割
これから介護サービスを利用しようとされている方のなかには、ケアマネージャーという言葉は聞いたことがあっても、具体的に何をする人なのかよくわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ケアマネージャーとは介護の何をしてくれる人なのか、介護者にとってどのような存在なのかについてご説明いたします。
ケアマネージャーとは?
ケアマネージャーとは、介護支援専門員ともいわれ、介護保険制度においてとても重要なポジションにあります。文字通り、介護に携わる人の支援を専門とする有資格者で、介護保険の利用者と家族の声に耳を傾け、介護サービスにかかわる機関との連絡調整を行います。
ケアマネージャーの最も大きな仕事はケアプランの作成です。
ケアプランとは、介護サービスを必要とする人にとって最も適切な介護サービスをケアマネージャーが提案するものです。提案後も、1週間単位、1か月単位でサービスがきちんと実行されているかを確認するために必要となります。
ケアプランが作成されたあとも、1か月に1回、ケアマネージャーが必ず利用者さんのご自宅を訪問し、提案した介護サービスで在宅での介護が問題なく行えているか確認します。
提案したサービス内容では不十分だとケアマネージャーが判断した場合には、利用されているご本人やご家族と相談し、新たなケアプランを作成する場合もあります。介護サービスが適切に提供されているか監督するのもケアマネージャーの役割といえるでしょう。
また、1か月の介護サービス費用負担額の計算もケアマネージャーの重要な職務です。 介護サービスを提案する際には、1か月の費用負担額がどれくらいの金額になるのか必ず説明されます。1か月に1回の訪問でも、1か月の利用負担金額の説明が行われます。
担当ケアマネージャーはどうやって決まる?
担当となるケアマネージャーが決まらないと介護保険サービスは利用できません。
ケアマネージャーは、ご自分でケアマネージャーの事業所を探して決める方法と、役所の介護保険課や地域包括支援センターなどから紹介してもらう方法の2つがあります。
ケアマネージャーには1人で担当できる人数の上限が定められているため、ご自分で探される場合には、近隣にあるケアマネージャーの事業所にケアマネージャーの空きがあるかを確認することから始めましょう。空きがあれば、面談ののち契約を済ませ、前述の通り、ケアプランを作成してもらって介護サービスの利用開始といった運びになります。
ご自分で探される場合、契約にともなう手続きを一つひとつ確認する手間と時間がかかります。これに対して、役所の介護保険課や地域包括支援センターなどから紹介してもらう場合は、ケアマネージャーの空き状況の確認から面談の日程の調整までを役所や地域包括支援センターの職員に行ってもらえます。
ケアマネージャーは介護の頼れるパートナー
在宅介護を続けていくには、ケアマネージャーとの連携が重要です。
例えば、何らかの事情によって要介護者であるご両親が入院された場合、治療やリハビリは病院のスタッフや医師によって行われますが、退院後に在宅での生活を希望される場合に、退院後の生活に向けて準備を行うのはケアマネージャーの仕事。
入院生活によって足腰が弱ってしまっていたら、自宅用の手すり・車いすなどの福祉用具を手配したり、必要に応じてヘルパーさんの手配を行ったりします。
また、在宅介護にあたっていた介護者さんが急に体調を崩されて介護が困難になった場合にも、ケアマネージャーに相談できます。
近隣の特別養護老人ホームでのショートステイを手配したり、デイサービスやホームヘルパーさんの利用回数を増やしたりと、介護者さんに代わる、介護の担い手の調整を行うのもケアマネージャーの重要な役割です。
ケアマネージャーは在宅介護でのさまざまな悩みや課題を解決へ導きます。在宅介護の重要なパートナーともいえる存在であるのがケアマネージャーなのです。