外出時に気を付けたい杖の使い方

杖は使用頻度の最も高い福祉用具のひとつです。

 

杖にはさまざまな種類があり、用途や使用方法が異なります。

 

適切な杖を選べなかったり、正しく使えなかったりすると、転倒事故を招くケースも多々あります。

 

今回は、杖の適切な選び方や正しい使い方などについてご紹介します。

 

絶対に知っておきたい杖の基本

歩行の補助具としてとても身近な存在である「杖」ですが、利用方法の基本を知らない方は少なくありません。適切な長さや正しい持ち方、杖を使用した歩き方などを知っておくことはとても重要です。

 

杖の持ち方

杖を握る腕は、利き手側と思われがちですがそうではありません。杖を持つ手は、けがをしている足、または、運びが悪い足側の「反対側」です。つまり、右足の運びが悪い場合は、左手で杖を持つことになります。 悪い側の足と同じ側の手で杖を持つとバランスを崩しやすく、転倒するおそれがあります。

 

杖の長さ

杖の長さもとても重要です。長すぎる杖では、握る腕が窮屈になり、スムーズに杖を前に出せなくなります。また、短すぎる杖だと前かがみの姿勢になってしまい腰に負担がかかるため、前方へ転倒する危険性が高まります。 長さの目安は、立った姿勢で杖を持ったとき、杖を持った腕が伸びきらないぐらいの長さ、肘がこぶし1個分ほど曲がるくらいの長さが目安といわれています。

 

杖を持ったときの歩き方

杖を使った歩き方にもポイントがあります。

 

最も基本的な歩き方は以下の通りです。

 

  1. 杖を前方に出す
  2. 杖と反対側の足(運びが悪い足)を出す
  3. 足運びのよい足を出す

 

この歩行法は「3点歩行」と呼ばれています。

 

杖にも種類が!正しく選びましょう

杖には用途に応じてさまざまな種類があります。ここでは最も代表的な4種類を解説します。

 

T杖(一本杖)

T杖(一本杖)ともいわれる最もオーソドックスな杖。伸縮するタイプや折りたためるタイプがあり、重量もさまざまです。

 

四点杖(多点杖)

4つのゴムで床や地面に接地するため、着地面積が広く安定性がよいのが特長です。ただし、地面がデコボコしたところで利用する際には、4点がしっかりと床や地面に接地するよう注意が必要になります。

 

ロフストランドクラッチ

本体に腕輪が付いているタイプの杖で、握力が弱い方や手首に力が入りにくい方に適しています。腕を輪に通して固定したうえでグリップを握って使用するため、腕輪とグリップの2点で体を支えられます。

 

松葉杖

腕の力が必要になりますが、片足に体重がかけられない方に適しています。杖本体を脇の下で固定できるため、荷重をかけても転倒しにくいという利点があります。 移動をサポートする介護用具である杖は、体や腕の力に合ったものを選ぶのが基本です。選ぶ際には、福祉用具の業者やケアマネジャーに相談して適切なものを選びましょう。

 

要注意!転倒事故が起こりやすい場面

基本を押さえたところで、絶対に避けたい杖の使い方を見ていきましょう。以下は、杖を利用時の転倒事故で多く聞かれる事故原因です。

 

地面や床に杖が正しく接地していないとき

杖の先端には滑り止めのゴムが付いています。この滑り止めのゴムは先端が平らになっていて、杖を地面や床に接地する際に地面にしっかりと着地していないと、杖を持っている側からバランスが崩れ、転倒する危険があるのです。

 

段差を越えるとき

前方に段差が見えてきたら、まずは、杖を段差の先に置き、それから運びのよい方の足、最後に運びの悪い足の順で段差を越えるようにします。

 

階段の上り下り

上る際も下りる際も、まずは杖を先に出します。前方への転倒を防ぐために、杖で体を支える姿勢をつくるためです。上る際には足運びのよい足から、下るときには悪い方の足から出しましょう。

 

まとめ

杖は歩くことが不自由になったご家族にとって 、歩行に欠かせない福祉用具。

 

介助者にとっても、歩行介助の負担を軽減できるというメリットがありますが、使用方法や杖の選択を誤ると転倒事故を招くこともあります。正しい使用方法や適切な杖の選び方を知っておくことは、転倒を予防するうえで重要です。

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